P&G式世界が欲しがる人材の育て方


P&G式 世界が欲しがる人材の育て方―日本人初のヴァイスプレジデ ントはこうして生まれた
就活生であり組織運営の立場にあるので読んでみました。著者は和田浩子さん
1977年にP&Gに入社しマーケティング部で活躍、最終的に米P&Gのヴァイスプレジデントになり、2000年に退社された後は、ダイソンやトイザらスのCOOなどを経験された方です。P&G自体はビジョナリー・カンパニーでも有名な会社で、そのマーケティングの秀逸さは周知の事実。そのマーケティングの秘密と従業員能力No.1企業の人材育成法が和田さんの丁寧な文章で書かれています。

P&Gで得たスキル

和田さんがP&Gで得たスキルを列挙すると以下の9つ。
分析力・戦略的思考・実行力・リーダーシップ・マーケティング/ブランディング・ファイナンシャル知識・コミュニケーション力(英語)・トレーニング・多国籍チームとの協議
この9つのポイントが本書には散りばめられています。

P&G式メモ術

P&Gでは会議報告や企画書などの文書は「メモ」と呼ばれる。
メモはワンページにまとめる。
プレゼンテーションした流れとメモが一致すればいい。

教えることで自分も育つ

STUDY HACKS!の教えたときに理解90%にもつながるところがありますね。

「自分でやったほうが早い」というのは、ブランドマネージャーになったばかりのころに感じる典型的なフラストレーションです。これを乗り越えないと良いトレーナーにはなれない。

これ、すごいわかります。
フラストレーションを感じる側も感じさせる側も。感じさせる側もきっと「モタモタして足を引張ってるな」感はいつも感じていて(自分は、ですけど)それを忘れずにサポートする形をキチンととっていくことが大事なんですね。

リクルーティング

育つ社員しかいらない
適性検査などの優劣も見えるが、見極めるべきは入社後どのような社員になるか
英語が話せるからといって必ずしも能力が高いとは限らない

その他

チームマネジメントについても多く触れられています。
心に残った部分は「ヴィジョンを共有する」というところでしょうか。
過去2回事業を立ち上げる中で僕も非常に感じていて、まさにココをキッチリできるかどうかで
その事業・プロジェクトの明暗が左右されると言っても過言ではないと感じています。
事実、片方が(いろいろあるけど)成功し、もう一方は形の上では失敗に終わってしまいました。
プロジェクト問わず全てのことにヴィジョンの設定・複数人いる場合には共有が非常に重要なことだと再確認しました。


ビジネスに興味のある学生であればなかなか興味を持って読めるのではないでしょうか。
P&Gについて知識・理解がある程度ついている片にはちょっと物足りないかもしれません。